2 Rates

アスファルト及びビチューメンの粘弾性測定

ビチューメンは、原油を蒸留した残余物質を精製したものであり、多様な石油化学成分が含まれた複雑な混合物です。アスファルトはビチューメンと鉱物成分を混ぜたもので、ビチューメンは結合剤として機能します。米国など一部の国では、「アスファルト」と「ビチューメン」が同義的に使用されています。

道路舗装やアスファルトコンクリートは、石、砂利、砕石、砂などの鉱物材料、及び結合剤となるビチューメン(またはアスファルト)で構成されています。一般に、舗装は様々な気候条件と交通による苛酷な荷重にさらされます。このため、道路の補修は、道路建設当局にとって大きなコスト要因となっています。わだちができたり、素材疲労や熱応力によってひびが入るといった損傷が一般的です。

車が常時通ると、わだちができます。そのため混合物の構造が弱くなり、舗装の変形がさらに大きくなったり戻らなくなったりする可能性があります。最終的には、これが原因となってハイドロプレーニングなどの現象を引き起こす恐れがあります。

素材疲労や熱分解の原因の多くは、季節による気温の変化です。自然に修復されることのない微小な亀裂が生じることもあります。チェーンを取り付けたタイヤとの摩擦により亀裂が徐々に大きくなると、石やアスファルトの破片が舗装面からはがれます。冬に水や氷が浸み込むと破損はさらに進み、特に低温の気象条件下では顕著になります。

行政及び道路建設当局、建材メーカー、研究機関は、高性能で耐用年数の長いアスファルトコンクリートを作り出すことを目標としています。このためには、高品質の材料を使用し、ビチューメンと無機物質の適切なテクスチャーと配合を明らかにする必要があります。このような改良を行うことで、加工性及び寸法安定性に優れ、気候の変化、液体、塵に強く、運転にも適したグリップ力の高い舗装を実現できます。

アスファルト及びビチューメンの粘弾性挙動

品質維持のポイントとなるビチューメンの結合特性は、レオメータで測定できます。加工や使用の段階に応じて、ビチューメンに求められる硬さは異なります。道路建設では、様々な温度で高温のアスファルトコンクリート混合物を作り、均質化しています。この混合物は、固定または移動式のアスファルト工場で絶えず加工されるため、ポンプで吸い込みと送出ができること、また注ぎやすいことも必要です。舗装後の冷却段階では、この混合物は道路上で連続的に圧縮されます。粘度及び硬さと弾性コンプライアンスを表すその他の粘弾性パラメータを測定することによって、ビチューメンの特性を最適化できます。様々な測定ジオメトリとビチューメン(またはアスファルト)測定専用加熱装置などのアクセサリによって、正確な結果が保証されます。

ビチューメン

「ビチューメン」という語はケルト語に由来し、アスファルトや「地面用の樹脂」を意味します。茶褐色から黒色の可燃性の液体で、常温下で強靭性と粘弾性特性を示します。ビチューメンには、炭化水素、樹脂、パラフィン類、ワックスや油、重油、リグニン、タンパク質、アスファルテンなど、数千種類もの高分子量化合物と低分子量化合物が含まれています。アスファルトと異なり、ビチューメンには鉱物などの固体は含まれていません。天然ビチューメンは天然の有機物質で構成されます。

ビチューメンは主に道路舗装用混合物のアスファルト結合剤として、砂や小石などの固体鉱物を結合する役割を果たします。このため、高温では偏析せず安定していること、低温では脆性破壊を起こさないことが求められます。

ビチューメンの粘弾性測定

ビチューメンの粘弾性特性は、様々な温度(T = 0~+70 °Cの範囲)での振動試験などにより特定できます。道路舗装の粘弾性挙動を最適化するため、合成ポリマーも頻繁に使用されます。通常、純粋なビチューメンの成分は、添加される合成ポリマーほど粘弾性挙動に影響しません。アスファルト業界で以前から行われている測定では、一定の温度でのみ測定するものもありますが、ビチューメンのように複雑な粘弾性特性を示す熱可塑性材料の場合は、このような測定では十分ではありません。従来使用されている特定値には、環球を使った方法(R&B)で測定される軟化点(SP)や、針貫入試験で測定されるPEN値などがあります。これらの値から大まかな分類はできますが、製品の品質や特定用途での安定性などに関する情報を得るには不十分です。

 この測定には、共軸円筒システム向けのペルチェ素子温度制御システムを装備したアスファルトレオメータが必要です。

ポリマー改質ビチューメン(PMB)

ビチューメンやアスファルト結合剤を道路舗装などの特定需要に適した状態にするために、ポリマーと混合して、ポリマー改質ビチューメン(PMB)を作る場合があります。一般的なビチューメンと比較して、PMBは鉱物粒子と結合しやすく、軟化点から破壊点までの温度範囲が広いのが特徴です。負荷除去後の構造回復や素材疲労耐性も優れています。さらに、PMBは、剛性、耐久性だけでなく耐水性にも優れます。PMBは通常、交通量が非常に多い地域で、橋や、交通騒音の低減のためのオープンセルのアスファルトコンクリートなどに使用されます。

ポリマー改質ビチューメンの粘弾性測定

ビチューメンをポリマーと混合する主な目的は、延性範囲を広くし、高温でも硬く、低温でも柔軟にすることにあります。添加物の割合は最大で7 %です。一般的に使用される添加剤には、スチレンブタジエンスチレン(SBS)、エチレンビニルアセテート(EVA)、粉砕タイヤゴム(GTR)などの熱可塑性ポリマーの混合物があります。振動式レオメータを使用した温度試験などの粘弾性測定を行うことで、PMBを加熱した場合や溶融した場合の温度依存の挙動を特定できます。ビチューメンに添加されるポリマーの割合は非常にわずかですが、温度カーブから、ポリマー分子が混合物の粘弾性挙動に大きな影響を与えることが明らかにわかります。

この測定には、共軸円筒システム向けのペルチェ素子温度制御システムを装備したアスファルトレオメータが必要です。

ゴム改質アスファルト

工業先進国や発展途上国では道路を走る車が増え、毎年、膨大な数の使用済みタイヤが発生しています。道路建設用アスファルトの製造にタイヤのゴムを使用することは、使用済みタイヤによる環境への影響を低減するために役立つだけでなく、道路建設用アスファルトの改質においてもメリットがあります。路面の耐用年数が延びることに加え、道路の保守管理作業の削減、交通騒音の低減、制動距離の短縮などのメリットもあります。アスファルトゴムが使用済みタイヤ最大の単一市場になってきたことも、おそらく驚くべきことではないでしょう。現在、毎年約1200万本のタイヤが使用されています。道路建設に最も多くアスファルトゴムを使用しているのはカリフォルニアとアリゾナですが(この地域で使用されているアスファルトの80%超がアスファルトゴム)、アスファルトゴムはどのような気候でも性能を発揮できるように工学的に処理できます。

ゴム改質アスファルトの粘弾性試験

アスファルトメーカーが材料を分類し性能を予測可能にするためには、温度に依存するアスファルトの粘弾性挙動を測定できることが必要です。粒子径2mm以下のゴム改質アスファルトに対応可能な動的粘弾性レオメータであれば、このような測定が可能です。一般的に、タイヤゴムを添加するとアスファルトの粘弾性特性が大幅に向上し、滑り止め舗装(ニート舗装)等級のアスファルトに比べて材料の剛性と弾性が増大するという、明らかな効果が見られます。

この測定には、共軸円筒システム向けのペルチェ素子温度制御システムを装備したアスファルトレオメータが必要です。

その他の材料及び用途