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石油化学製品の粘弾性測定

石油化学製品は、原油や天然ガスに由来する化学製品です。石油化学製品は、車の燃料やオイル、プラスチック、農薬や肥料、塗料、洗剤、化粧品、キャンドルなど、日常使用する多くの製品の基材となります。実際、石油化学製品を含む膨大な品目のリストを示すよりも、石油化学製品を含まない品目のリストを示す方が簡単でしょう。上記の他にあと2つだけ例を挙げると、フリースジャケットや洗濯用の柔軟剤にも石油化学製品が使用されています。

石油化学製品の粘弾性挙動

原油に関しては、石油貯留層及びパイプライン中にパラフィンやアスファルテンが存在することによって、製造、搬送、処理に問題が生じることがあります。固体沈殿物が堆積し、設備が詰まる場合があります。また、固形物ができると、ポンピング時の問題にもつながります。

原油には、様々な軽質炭化水素及び重質炭化水素が含まれています。60 °Cを超える温度では、軽質成分が重質成分のほとんどを溶液中に保つので、流動挙動は比較的低い粘度値を示します。しかし、温度が下がると、重質成分の溶解度が下がり、固体沈殿物ができることがあります。この現象を「ワックス析出」と呼びます。ワックスが析出すると、原油がニュートン流体から降伏応力物質に変わることがあり、パイプライン内が詰まる危険性が高まります。原油のワックス析出は、油分散体の組成に依存するほか、温度や圧力などの環境条件にも依存します。レオメータと圧力セルを使用して高温高圧で試験を行うと、例えば、搬送及び製造条件下での詰まり防止剤の効果に関する情報が得られます。

燃料

燃料とは通常、石油のような液体燃料(ディーゼル燃料、ガソリン、灯油など)を意味します。その他に、固体燃料(石炭、木、糞など)と気体燃料(プロパンガス、石炭ガス、水性ガスなどの天然ガス)があります。液体燃料の硬さに大きく影響する要因の1つとして、圧力の他に温度があります。例えば、ディーゼル燃料やガソリンは、気候条件によって幅広い温度にさらされます。低温でも液状を保つには、使用温度または環境温度よりも凝固点が低いことが必要になります。一般に、ガソリンの方がディーゼル燃料よりも凝固点が低いと言えます。添加剤を使用することで、低温条件下における燃料の流動性を改善し、ワックス析出を抑えることができます。

燃料の粘弾性測定

燃料を冷却していくと、液体状態から固体状態への変化を示す3つのポイントがあります。曇点は、ワックスやパラフィンの結晶化によって燃料が不透明になり始める温度です。流動点は、燃料が固体になり、最終的に凝固点に到達する直前の粘度値です。つまり、流動点では、燃料がまだ流動特性を示しています。流動点は、自動車による利用のほか、パイプラインでの燃料搬送にも影響します。流動点を測定する1つの方法は、回転式レオメータを使用し、一定のせん断速度回転試験を行うことです。温度を下げて回転試験を行い、粘度カーブの転換点またはグラフが平らになり始めるところを流動点と特定できます。どちらも分析プログラムを使用して計算できます。このため、どちらの方法で流動点を測定するか決めることが重要です。ディーゼル燃料の流動点は、実際には、ワックス改質剤を追加することによって影響を受けます。ワックス改質剤は、ワックス分子に極性を持たせ、冷却しても大きな結晶にならないようにするものです。

この測定には、ペルチェ素子温度制御共軸円筒システムを装備したレオメータが必要です。

この測定は、自動車業界で通常使用される粘弾性測定の1つとなっています。

潤滑油の添加剤

潤滑油の基本的な目的は、相対運動する2つの面の間に荷重を受ける流体膜を形成し、これらの面の摩擦と磨耗を抑制することにあります。ただし、自動車のエンジン内の潤滑油は、高温での安定性の維持、金属部分の酸化及び腐食防止、効果的な密閉性能の確保など、これよりもはるかに高い要求に応えなければなりません。このため、粘度調整剤、摩耗防止剤、極圧添加剤、酸化防止剤などの複数の添加剤を基油に添加する必要があります。

粘度調整剤(ポリマー構造体)は、温度が変化したときの粘度の変化を最小限に抑える目的で潤滑油に添加されます。理想的条件下にある潤滑油は、荷重を受け潤滑対象の向かい合う接触面を離す流体膜を形成するのに十分な粘度がなければなりません。ところが、効率改善(調合の変更)のため、この流体膜が薄くなってきており、急な圧力上昇や始動/停止など想定外の条件下では接触面を必ずしも離れた状態に保持できない可能性があります。したがって、可動金属部分に犠牲被膜を形成しやすくする目的で、摩耗防止剤や極圧添加剤などさらに別の添加剤が添加されます。

潤滑油の添加剤のトライボロジー測定

潤滑油に添加される添加剤のタイプと量は、エンジンや用途分野により異なります。カスタマイズされた添加剤群を開発し、様々な添加剤を基油に混合し、どのような相互作用があるか試すのは、非常に骨の折れる作業です。この課題に対処する方法の1つが、トライボロジー測定です。摩擦学に基づく測定により、接触面や潤滑油、周囲条件を含む、系全体に関する情報が得られます。潤滑油の特性を、様々な接触圧力、滑動速度、温度、相対湿度の条件下で測定できます。この測定結果をもとに、潤滑油の配合を目的に応じて調整していきます。

この測定には、ボールオンスリープレート構成の試験器具を装備したレオメータが必要です。

潤滑用グリース

どのような機械的構成もエンジンも、潤滑油や潤滑用グリースがなければスムーズに動作しません。潤滑油やグリースは、損傷や故障を防ぎ、メンテナンス費用を削減します。潤滑用グリースは、ギア、チェーン、ガイド、その他多くのものに使用されています。装置の効率改善に適したグリースは、想定耐用年数や環境条件など様々な要因によって決まります。そしてこれらの要因は、例えば、チキソトロピー、密度、酸化安定性、腐食防止性能、または極圧特性や耐荷重性のようなトライボロジーパラメータなど、グリースの内在的特性によって決まります。基油の流動点とテクスチャーも非常に重要です。

もちろん、その他にも、耐腐食性、長期安定性、摩擦挙動など、個別に特性評価が必要な様々なパラメータがあります。潤滑用グリースの選定基準は厳密であり、グリースの特性分析には高度な測定技術が要求されます。

潤滑用グリースの粘弾性測定

自動車産業などにおいては、潤滑用グリースの粘弾性挙動を幅広い温度範囲で測定し、どのような環境条件で使用できるか示すことが非常に重要です。自動車製造には、-40 °Cの低温でも使用できるグリースが必要です。このため、非常に広い温度範囲でグリースの粘弾性挙動を調べられる装置と測定方法が必要です。この測定は、温度制御システムを備えた振動式レオメータを使用して行うことができます。一般的な測定の例として、様々な温度で、せん断ひずみを制御した振幅掃引(ひずみ分散とも呼ばれます)を行います。

この測定には、ペルチェ素子温度制御システムを装備したレオメータが必要です。

この測定は、自動車業界で通常使用される粘弾性測定の1つとなっています。

潤滑用グリースのトライボロジー測定

レオロジーが材料の特性を示すのに対し、トライポロジーは構造系の特性を示します。この例の場合の構造系には、ある物体と相手の物体、及び両者の間の潤滑油が含まれます。トライボロジー測定を使用すると、例えば特定のトライボロジー構造系のグリースの初動力を1つの特性として評価できます。初動力とは、トライボロジー構造系の静的摩擦の抵抗を上回り、肉眼で見える動きを始めるために必要な力のことです。肉眼で見える動きが始まる直前の摩擦係数値のことを極限摩擦とも言います。このパラメータが極めて重要となる可能性がある代表的な用途としては、座席の調整機構、スライドガイド、ドア、ロック、釣り用具などがあります。初動力は小さい方が良い場合がほとんどですが、誤って動かないようにするために一定の抵抗力が必要な場合もある点に注意してください。初動力を高精度に測定するためには、力の高精度な制御と測定が必要ですが、潤滑油の特性分析向けに最適化されたトライボロジー用アクセサリを装備したレオメータを使用して測定できます。

この測定には、ボールオンスリープレート構成の試験器具を装備したレオメータ/トライボメータが必要です。

この測定は、自動車業界で通常使用される粘弾性測定の1つとなっています。

鉱油

原油は様々な成分の混合物で、溶剤、鉱油、潤滑油、接着剤、樹脂、洗剤、ポリマー(プラスチック)、エラストマーなど、幅広い製品の基礎となります。

鉱油は、燃料油やガソリンとしてだけでなく、多くの化学工業製品の原料としても、世界中で利用されています。合成及び精製された鉱油は、モーターやギアなどのパフォーマンスを最適化する潤滑油として、自動車産業で特に広く使用されています。このような油は、長期にわたり様々な環境条件に耐える必要があります。モーターはコールドスタートから高温になり、動作中は高圧になります。有用な油には、このような困難な条件でも必要な特性を失わないことが求められます。

鉱油の粘弾性測定

レオメータで測定できるデータのなかで最も重要なのは、温度が鉱油の流動挙動に及ぼす影響です。一般に、ポリマー添加剤を含まない純粋な鉱油は、理想的な粘度/ニュートン流体挙動を示します。

この測定には、ペルチェ素子温度制御共軸円筒システムを装備したレオメータが必要です。

その他の材料及び用途