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食品の粘弾性測定

クリーミーである、ジューシーである、滑らかである、ほろりと崩れる、柔らかい、硬いなど、食品を食べた時に感じるテクスチャー特性は、多くの場合、粘弾性特性と粘弾性挙動に関係しています。原材料の品質を評価し、加工時の材料の挙動を予測し、貯蔵要件及び安定性要件を満たすために、食品の粘弾性特性を評価することがますます重要になっています。

食品の粘弾性挙動

懸濁液としての構造強度/挙動

食品の構造強度を知ることは、分離挙動や沈殿傾向などを予測する上で重要です。サラダドレッシングや酢などの調味料には、ハーブや野菜の粒が浮かんでいるものが多くあります。良い状態で浮かんでいれば、消費者が容器を振って粒を分散させなくても、この食品混合物は安定した状態を保ちます。安定した調味料は、味も見た目も理想的です。構造的性質によって、風味、飲み物のコク、アイスクリームのクリーム状態、菓子の粘性、口当たりなど、消費者が食品に求める知覚特性も提供されます。このような全ての特性を調べるために、レオロジーを使用して食材を試験し分析することができます。

流動挙動

また、食品原料の加工性や充填挙動を予測するには、流動挙動を知ることが不可欠です。流動挙動は、消費者が食品を噛んだり飲み込んだりしたときに食品の構造がどのように変化するのか予測する上でも重要な役割を果たします。冷蔵庫や常温で保存されていた食品が消費者の口に入るまでの間には、温度が変化しますが、流動挙動はこの温度変化によっても影響を受けます。

粘弾性測定による食品の測定

粘弾性測定は以下の用途に有効です。

  • 食品製造に使用される原材料の流体特性及び構造特性の測定
  • 食品のテクスチャー、味、口当たりの改善
  • 加工時の材料の性能の予測
  • 製品の品質の測定(食品の品質管理)

チョコレート

製造者及び消費者のニーズに応えるため、チョコレートには次のような特定の粘弾性特性が必要です。製造過程では材料がスムーズに流れる必要があり、最終製品は室温では溶けず、口に入った時だけ溶ける必要があります。さらに、チョコレートが舌や口蓋にどのように付着するかは、消費者が口当たりや味をどう感じるかに大きく影響します。

チョコレートの粘弾性測定

液体のチョコレートで重要な粘弾性特性は、粘度降伏点の2つです。粘度は、チョコレートの流れに対する抵抗の尺度です。液状のチョコレートを(バーや様々な形にするための)型に流し入れる際には、粘度を考慮する必要があります。降伏点は、流れを開始させるのに必要なせん断応力です。降伏点は、チョコレートの注入やデコレーションに関係するだけでなく、消費者の口や手でチョコレートがどのように溶けるかにも関係します。どちらの値も温度に依存します。

チョコレートは、舌の上で29~33 °Cの温度で溶ける必要があります。そうでないと、ロウを食べているような感じがしたり、室温で柔らかくなったりします。

粘弾性測定は、チョコレート溶融液の品質管理に使用できます。最適なソリューションは、40 °Cでのフローカーブです。チョコレートの流動挙動は、様々な材料によって影響を受けます。降伏点や粘度などのパラメータを確認することによって、安定した品質を保証できます。

この測定には、ペルチェ素子温度制御システムを装備したレオメータが必要です。

コーヒークリーマー

コーヒークリーマーは、冷蔵の必要がなく賞味期限が非常に長く輸送も容易なため、ミルクの代用品として極めて便利です。ただし、クリーマーが良好な品質を維持できるためには、均一な流動性の高い粉末として製造する必要があります。このような品質はクリーマーの目視検査では容易に測定できませんが、粉体レオロジーを使用して測定することができます。

コーヒークリーマーの粘弾性測定

粉体の流動挙動は、加工と包装の容易さや粉体の長期安定性に大きな影響を与えます。したがって、効率的な製造と品質管理を実現するためには、粉体の流動挙動を理解することが重要です。粉体レオロジーでは、粉体流を支配する要因に関する量的情報が得られます。例えば、粒子が相互に凝着する強さは凝集力により決まります。パウダーセルを装備した高性能なレオメータを使用すると、品質管理の直接的な指標となり得る凝集力の値を高い信頼性で測定できます。

https://www.anton-paar.com/corp-en/products/details/powder-rheology/ この測定には、粉体レオロジーに対応可能なレオメータが必要です。

フルーツジャム/マーマレード

ジャムやマーマレードを適切にポンピング及び充填するには、せん断速度が速い場合に粘度が低いことが必要です。反対に、ジャムの粘度が低すぎると、パンの上で流れてしまいます。スイーツスプレッドの構造は、舌の上で溶ける時のフルーティな味わいにも影響します。フルーツジャムの粘度にとって最も重要な要因は、添加するペクチンの種類と量(及び併用するカルシウムイオンの濃度)です。

フルーツジャムの粘弾性測定

フルーツジャムの粘度を測定する際の主な課題は、果実の大きな粒がたくさん含まれていることです。粒を取り除くと時間がかかるだけでなく、流動挙動を特定する時に正確な結果が得られなくなります。このような場合は、ボール測定システムを装備した回転式レオメータが必要です。1週目にのみボールが新しい無せん断の材料に接するため、測定システムが1回転する間に測定全体を完了する必要があります。このような条件を満たすには、測定ポイントごとに回転速度をすばやく制御できるレオメータが必要です。

 この測定には、ボール測定システムを装備したレオメータが必要です。

ケチャップ

ケチャップは、基本的にはトマトとスパイスを合わせたものです。消費者は、ケチャップの味だけでなく、容器からの出方も重視します。製造工程では、ケチャップを混ぜやすく、容器に詰めやすいことが大切ですが、容器からスムーズに出すことができ、料理の上で流れ落ちないことも要求されます。

ケチャップの粘弾性測定

容器から押し出された時のケチャップの出方に影響を与える主な要因は、降伏応力または降伏点です。ケチャップは、降伏点に達するまでは固体の状態で、この点を超えると流れ出すとされています。力をかけるのをやめると、ケチャップは元の状態に戻ります。

注いだ後の流れとレベリング性をシミュレートするため、3つのインターバルで構成されるステップ試験を行います。最初のインターバルは、サンプルの静止時の挙動を表します。2つ目のインターバル(注ぐとき)は構造的分解を、3つ目のインターバルは構造回復を表します。振動試験を行いますが、1つ目と3つ目のインターバルは、一定の角周波数線形の粘弾性範囲内の一定の変形値に設定します。2つ目のインターバルでは、一定のせん断速度で回転させます。これは、サンプル材料を絞り出したり容器に充填したりするプロセスをシミュレートするものです。

この測定には、ペルチェ素子温度制御システムを装備したレオメータが必要です。

粉ミルク

粉ミルクは、新鮮なミルクが入手できないときの基本的な食料供給製品として日常的に使用されています。製品として存続していくには品質の一貫性と信頼性が重要です。一方、粉ミルクの品質は原料(生乳)と製造工程により大幅に変わる可能性があります。生乳が安定した粉体になるまでには、多くの処理工程を経る必要があり、各工程には固有の技術的課題があります。最後の処理工程となるのが、スプレー乾燥タワーからの粉体の排出です。この排出工程では、しばしば問題が発生することがあります。原因は一般的にミルク粉体の凝集力が比較的強いこと、さらに重要なのはホッパーの壁面が摩擦発生源となり流動の妨げになる可能性があることです。

粉ミルクの粘弾性測定

流動挙動を監視する方法の1つは、パウダーセルを装備したレオメータを使用して壁面の摩擦を測定することです。壁面の摩擦を測定すると、粉体をホッパーから均一に排出可能か否かの尺度となる、壁面摩擦角を計算できます。壁面摩擦角が小さいほど、粉体は壁面に凝着しにくくなり、よりスムーズに排出されます。

この測定には、粉体レオロジーに対応可能なレオメータが必要です。