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鉱業及び石油探査における粘弾性測定

金属や鉱石は先史時代から採掘されており、鉱業は、最も古い産業の1つでありながら、現代でも成長と拡大を続けています。鉱業の対象は、石炭やガスなどの基本的エネルギー材料から、鉄などの建材、ニッケル、チタン、リチウム、金などの貴金属、その他、広範囲に及びます。

鉱業における主な処理は、掘削、掘り出した材料の処理と搬送、廃棄物の除去と保管です。大部分の鉱山は極めて広い地域で大量の取引を行っているため、処理効率のわずかな違いが、鉱山の生産性と財務的存続性に大きな影響を与える可能性があります。

鉱業及び石油探査に使用される材料の粘弾性測定

粘弾性測定を行うと、スラリーと液体の流動に大きく影響し処理効率にも関わる重要な情報が得られます。

掘削

掘削流体は、ビットとドリルストリングに潤滑性を与え、ビット面から掘削屑を除去するほか、地層流体を防ぐなど掘削処理において様々な重要な役割を果たします。5°Cという低温の深海鉱山から最高180°Cの地熱井まで多様な環境において掘削流体の性能を監視し予測するためには、粘弾性測定が必要です。

処理と搬送

場合によっては、掘り出した材料を処理、精製する前に長距離搬送が必要なこともあります。管の寸法、流体の組成、ポンプ圧力などの最適なポンプ搬送条件を特定するには、粘弾性データが必要です。

廃棄物処理

鉱業は、廃棄物発生量が世界で最も多い業界です。廃棄物を搬送する前に大量の水を除去することにより、水資源、エネルギー、保管コストを削減できる可能性がありますが、廃棄物の濃度が高いと流動挙動が劇的に変わってしまう可能性があるため、最適な廃棄物処理戦略を立てるには粘弾性測定が必要です。

鉱業分野において測定対象となる代表的な材料

掘削流体

掘削流体が果たす最も重要な機能は、ビットの周囲及び坑井全体の掘削屑の濃度を最小限に抑えることです。また、掘削流体は、掘削速度を上げるために掘削を安定させビットとドリルストリングを滑らかに動かす必要があります。掘削屑を表面に浮かせるためには十分な粘度が必要ですが、摩擦圧力よる損失を最小限に抑えるためには、粘度が高すぎてもいけません。粘度を管理する最善の方法は、掘削流体の粘弾性を管理することです。

掘削流体の粘弾性測定

掘削流体は大きな技術的発展を遂げてきました。以前は単に水と粘土の混合物だったのですが、現在では「掘削泥水」と呼ばれる様々な有機製品と無機製品の複雑な合成混合物となっています。成分を慎重に調整することで、粘弾性特性を改善したり調整したりできます。例えば混合物に水を添加すると、広いせん断速度範囲で粘度が低くなります。ベントナイトを添加すると粘度が高くなります。ポリマーはせん断速度が大きいときに粘度を上げるのに役立ち、白色石灰はせん断速度が低いときに粘度を上げるために使用されます。

次の図のように、掘削流体に含まれる増粘剤の量を増やすと、広いせん断速度範囲で粘度が高くなります。

 この測定には、円筒測定システムを装備したレオメータが必要です。

スラリー

処理時や搬送時のスラリーの特性は粘弾性特性に大きく依存します。例えば、降伏点はスラリーが流れ始めるのに必要な最小の力を示し、粘度はスラリーの流動抵抗の指標となります。降伏点を上回るには均衡を破るだけのエネルギー量が必要ですが、スラリーが静止し降伏点に達するまでは、管内の抵抗と圧力が比例して増大していきます。したがって、降伏点が高すぎるとポンプ搬送動作を開始できません。ポンプによる搬送効率のわずかな違いでもエネルギーとコストに大きな影響を与える可能性があるため、これらの粘弾性特性の監視と管理が極めて重要です。

スラリーの粘弾性測定

水量、添加剤(固体、ポリマー、液体)、粒子径などのスラリーの組成やポンプ搬送温度を変えると、降伏点と粘度に影響を与えることができます。多くの場合はせん断流動化スラリーが必要であり、これによりせん断応力が増大することでスラリーの粘度が低くなり、ポンプでの搬送が容易になります。

せん断流動化サンプルのせん断速度と粘度の間の関係を次の図に示します。せん断速度と体積流量が小さいときは、管内のせん断応力と圧力差が比較的大きくなります。一方、圧力をわずかに上げるだけで管内のスラリーの体積流量を増やすことができます。このようになるのは、粘度を下げるとせん断速度が上がるというスラリーのせん断流動化挙動のためです。

 この測定には、やすり目加工が施された円筒測定システムを装備したレオメータが必要です。

その他の材料及び用途

以下のトピックの詳細については、対応する各項をご覧ください。